2017年8月10日木曜日

物差

初夏の辺りから、ネット上でなんとなく鰻加工品(釜飯の素、佃煮、冷凍蒲焼き等)の広告が目につくなぁ、と思っていた処、
ウナギ、今夏は安く 稚魚の漁獲増える
まぁ、そういうことかと。

で、8月中旬の今日に至るまで、予想通り大手流通、外食チェーン、ラジオ、ネット通販で販売合戦が繰り広げられています。恰も鰻資源枯渇の問題は解決したかのようなその節操のなさは目に余ります。

もう少し、鰻に対し謙虚に、そして食材として丁寧に扱え、率直に思います。ただ、スーパーやコンビニ等、流通業者の根底に染み付いた、廃棄を厭わない鰻のイベント商材的扱いを目の当たりにすると、”資源枯渇に向かうのも当然”といった感が強くあります。巷間、販売ノルマ、押し込み販売、売れ残り廃棄でしばしば耳目を集める、恵方巻き、おせち、クリスマスケーキに通底した姿勢が、資源の持続性が危ぶまれている鰻にもそのまま当て嵌められているということです。

大元の思想は、
多くのお店が廃棄ロスを恐れて機会損失を起こしている
この辺りにあって、そこに押し込みとかノルマが加わっているかと。更には水道哲学まで遡ることができるかもしれません。

いずれにせよ、企業や業態の体質だったり資本の本能に依拠する話と捉えています。
コンビニ恵方巻「大量廃棄」問題の解決が難しい事情
こういった問題の解決こそが野放図な市場主義経済から賢い自由主義経済へと社会が進化する端緒になるのではないでしょうか。それは規制であるとの見方もできるかもしれませんから、自律性が伴うことが前提ではあります。

鰻であれば、資源の最適分配、自律的で持続可能な消費といたところです。ルキウスさんのエントリに具体的な施策例があります。
ウナギをどうする?
奇しくも先般、オランダ、ノルウェイ(2025年から)、フランス、英国(2040年から)と続いて、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止、電気自動車に限定へと向かう動きが明きらかになりました。これはこれで、ダイムラー、VW、BMWといったドイツ自動車メーカ各社によるディーゼル車排ガス不正に対する意趣返しというか反動の感があり、その実現は半信半疑ではあります。

ただ、地球温暖化対策としてCO2排出量削減を目指した規制は、鰻資源の持続のための規制と短期の経済合理性のみに依拠しないという点で通底しています。

より達成可能なのはどちらかについては不明ですが、少なくともいずれかが実現し得るならば他方もまた可能だろうと推量します。

鰻資源持続のための枠組み、或いは、欧州の電気自動車化の実現は、賢い自由主義経済社会への進化を示唆する試金石ではないでしょうか。

いつまでも安心して鰻を口にできる社会の実現を願っています。

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