2018年3月18日日曜日

寡占

なんとなく釈然としないものを感じています。

ヤマト運輸に続き佐川急便、日本郵便と宅配便大手の料金値上げが出揃いました

口火を切ったヤマト運輸の料金値上げなんですが、独禁法に抵触する疑いってないのでしょうか。確かに寡占化が進む業界では価格の決定権は事業者側優位であるのは間違いありません。宅配業界で同じように寡占化が進行している米国でも
事業者が価格支配力を強めているようです。
アメリカにおける宅配便の最新事情
ただ、郵便小包や鉄道小荷物に端を発する宅配便はヤマト運輸の該事業への集中以降、大手輸送会社が参入し熾烈な競争が起こりました。その結果、
鉄道小荷物は廃止
 日本通運によるペリカン便は日本郵便のゆうパックと事業統合、日本通運本体の事業としては撤退
西濃運輸のカンガルー便は存続しているものの業界4位でシェア4.0%程度
名鉄運輸の子熊便は荷物量減少により宅配便から撤退、法人貨物引受のみ存続
といった状況のようです。

ヤマトと佐川の荷物取扱量が激増し、これに日本郵便を加えると三社で93.4%と寡占状態にあるわけです。

で、この状態が公正な競争の結果であるならば異論はありません。ただ、宅配便料金値下げ競争の値下げ原資がドライバー等現業職のサービス残業、過重労働といった不法労働行為に依るものであるならば重大な問題ではないでしょうか。

現業職への不法労働行為が原動力となってヤマトと佐川が躍進、シェア拡大、引いては競合他社を事業撤退、縮小へと追い込んだとすると、とても公正な競争の結果とは受け止められません。家電量販店の不当廉売による競合の排除事案より悪質です。

業界において、物流事業の質という点でリーディングカンパニーであり、他社より遵法意識が高いであろう日本通運がペリカン便の旗を降ろした事実がその証左では、と憶測できます。

現業職に不法な労働を課し、それによって寡占を実現したものの、残業代未払などが発覚しそれを是正するために料金値上げを画策、既に競合他社は排除済みという絵図ならば、正に公取の調査事案ではないかと考えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿