2017年12月29日金曜日

懸案3

前のエントリに続けて、ホルモンを快適に焼く器具として、上火加熱方式を採用した調理機器の可能性を検討します。

少し調べてみますと、様々な器具があることが判りました。大別すればカセットボンベを含むガスの燃焼エネルギを利用するタイプ、或いは電気を熱エネルギに変換するもの、といった処でしょうか。

適わぬ理想は炭火の上火加熱です。網の上におこした炭を載せ食材の上にかざせばいいのですが、ただ、食材への灰の降りかかり防止が困難です。

実現性がありそうな理想をカセットボンベを採用した器具として調べてみました。

実は本エントリを記すに当たり改めて上火加熱型の機器を調べてみた処、ニチネンからカセットボンベを使用した上火加熱型の遠赤グリルが新たに発売されていました。発売してまだ間もないためその評価はまだこれからのようですが、写真を見る限り加熱部の面積はそれほど広くないようです。円形状で直径30cmといったところでしょうか。

加熱部分の面積が十分あって、ホルモンが快適に焼けるようであれば、確実に地団駄踏んでました。新規に購入していたかもしれません。幸い(?)なことに該部分が求めているほど広くはないため、購買衝動を抑えることができました。

カセットボンベを使用する上火加熱型のグリルは、最近発売された該機種のみで、以前は見つかりませんでした。必然的にホースで都市ガス、或いはLPガスを供給して使うタイプに限定されます。

鰆や銀ムツ(マジェランアイナメ)の照り焼きを求めに訪れる仕出屋があるのですが、そこでは上火加熱型のグリルを使って照り焼きを焼き上げています。こういったタイプのグリルは、例えば、
赤外線グリラー上火式
で容易に見つかりました。ただ、この機器はキッチン据え置きになり収納できません。”開業する気か!”と周囲から非難されるのも確実で断念しました。

では、家庭での使用に適した、できれば収納可能な小型の機器となると....ないようです。。厳密にはリンナイパロマの好適そうな製品を見つけたのですが、既に販売終了でした。

前者はリンナイ製コンパクトグリラーR-3452-3でバーナーを回転することによって上火と下火を切り換えられるスグレモノのようでした。

実物は滋賀県の鮎茶屋かわせという鮎料理店見ることができます。














パロマからはPY-8という卓上型の業務用焼物器があったようです。
コンロ

発売日が1969年07月とありますからかなり古い機器で、こちらも既に販売終了...

結局、上火加熱型で、熱源にガスを使うタイプでは満足できる機器がなかった、ということです。以降、電気を利用した上火加熱型のグリルを検討することになるのですが、手詰まり感と共に熟考というか放置期間に陥りました。

上火加熱でホルモンを焼く電気機器としてザイグルは使えないか、という考えはありました。上火加熱型グリラーとして最初に念頭に浮かぶ製品ではありますが、試してみようという気に全くなれませんでした

その理由は、
1.最も重視すべき基幹部分であるヒータについての情報が不十分。
2.テレビやラジオの通販番組で取り上げられていた。
ことにあります。カーボンヒータ使用、出力1200Wとあってもグリルとしての能力を推測できません。カーボンヒータの仕様も放出される赤外線についても不明です。その一方、通販番組では恰も焼肉をするための完璧な機器であるかの如く喧伝されていて、一歩引いて見ていました。デモでもあって実機の性能を体感できれば話は違ったかもしれませんが、全く検討対象にしませんでした。

時は流れて....自宅で局所暖房用にコロナ社製コアヒートを使用し始めたのは3-4年前でしょうか。この暖房機は温度調節ダイヤルを最小にしても、ヒータから放出される遠赤外線で局所暖房として十分な暖を取れます。搭載されているBC(ブラックセラミック)コーティングシーズヒーターが高性能なんでしょう。ヒータを赤変せずとも暖かさを感じました。

その後、ネットのどこかでこのヒータで焼き芋ができる、という話を見ました。改めて検索してみると、コアヒートでサツマイモを焼いているいくつかの画像を探すことは容易でした。ただ、この時はまだ”このヒータを使ってホルモンを焼く”ことまで繋げられませんでした。

しばらく、”高性能の暖房機”という見方から脱することができませんでしたが、今10ー11月頃ようやく、
”暖房機に搭載されている多量の遠赤外線を放出するヒータを、横向きにして上火の熱源にすればホルモンが快適に焼けるんじゃないか?
という思いが頭を過った次第です。特段なにかきっかけがあったわけではありません。本来ならばもっと早く気づけたはずですが、結果としてこのタイミングが後で功を奏することになります。

メーカのサイトを見てみると、コアヒートスリムの基幹部材であるヒーターについてその特徴が記してありました。上述のBCコーティングシーズヒーターで、
遠赤外線を発するシーズヒーターに、高輻射ブラックセラミックコーティングを施し、人体に吸収されやすい3~20ミクロンの遠赤外線がよりたっぷり放出される設計になっています。
とのこと。”人体に吸収されやすい”、即ち”肉を焼くのに適している”と理解しました。ただ、コロナ社からは該ヒータを利用した調理器具は製品化されていませんでした。

そこで、遠赤外線の放出効率の高いコーティングシーズヒーターを探してみた処、
遠赤外線ヒーター(セラミックコーティングヒーター)
遠赤外線シーズヒーター
等が見つかりました。この辺りの適当なヒーターを入手できれば自作も可能と考え、これを選択肢の一つとしました。同時に、高性能のヒータを採用した電気式暖房機であれば、ヒータの特性、仕様が詳述されている、という部分に着目し、コロナ社以外の暖房機についても調べてみました。

その結果、”アラジン”ブランドを擁する日本エー・アイ・シー株式会社が、自社技術による遠赤グラファイトヒーターを採用した、多彩な電気式暖房機を製品化していることを知りました。更に、上火式調理器具まで...

飛びついたのは勿論です。

正にこういったものを作ろうとしていたわけですから。ただ、該遠赤グラファイトヒーターは部品として入手不可能のようで、前記遠赤シーズヒータを使う以外選択肢はありませんでしたが。

上記”功を奏した”というのは該製品の発売日が2017.10.16だったということです。発売日がもう少し遅かったら自作に踏み切り、年の瀬の今頃にっちもさっちもいかなくなって途方に暮れていたかもしれません。

問題の使用感ですが、煙の発生、脂の飛散はありませんでした。ただ逆に食材が僅かに焦げることで加わる香ばしさにはやや欠けた感があります。相反しますからこれは当然です。最初に食材を載せた後、焼き上がるまで従来のガス火やホットプレートの場合より、時間がかかるようにも思いましたが、それほどの待たされ感はなく、又、焼き進める中に気にならなくなりました。

まだ使い始めたばかりであり、更に使用を重ねて評価すべきですが、現時点では概ね満足している処です。

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