2017年7月18日火曜日

無謬3

前のエントリに引き続き”無謬”について。

都議選の自民党大惨敗やら、その端緒となった森友、加計学園問題、政務官の”この、ハゲ~っ!”事案、大臣や与党ベテラン議員の失言等、盛り沢山のイベントで天皇の退位、及び皇位継承の話題は目を向けられなくなっています。

政権与党に次なる不祥事の種火が着火した頃、それに覆い被さるように何か新しい話が湧き出てくるのかもしれません。直近では、加計学園問題に衆目が集まりつつある処、秋篠宮家の婚約報道で鎮火を図ったかの印象を抱きました。ある意味、天皇家の政治利用ではないのか、といった疑念が払拭できないままでいます。

で、今日まで皇位継承問題は解決に向けて何か進展はあったのか、という話です。2006年、皇族男子として秋篠宮家に悠仁親王が誕生しました。しかしながら、依然として皇位継承資格者の不足という問題は残されたままです。親王の誕生により皇位継承について議論できる僅かばかりの猶予期間が得られたにも関わらず解決に向けた動きは感じられません。
皇位継承問題 (平成)
にはより詳細が記されています。男系男子による皇位継承の護持を巡って対立が続く中、各々の立場から解決策として旧皇族の皇籍復帰、女系天皇の容認が提唱されているものの、未だ合意形成には至っていません。

根本は万世一系とされる皇統を護持するか否かということなんでしょう。その正統性や真実性について云々するつもりは毛頭ありませんが、国体に包含されていて不可欠であると信ずる方々にすれば放棄するわけにはいかないのでしょう。

放棄すれば日本という国家がその体をなさなくなる、日本が国家でなくなるわけですから。それが正しいならば、
”何悠長に構えてんだボケナス!数十年後に日本が国家でなくなる深刻危機がもう見えているじゃねぇか。もたもた議論している場合か?
という話になります。 

で、そこまで国家の根幹に関わる、且つ譲れない話であるなら人工授精も一考すべきです精子を凍結保存し、又、将来の技術進歩を見据えてDNAの塩基配列を記録しておくとか...

人工授精については上記皇位継承問題 (平成)内や、河野太郎衆院議員ブログで提案の一つとして挙げられています。しかしながら前者では、
しかし、現在の皇室に対する国民世論を見れば、皇族にそのようなことを強いれば国民の気持ちは皇室から離れていってしまう。
という理由で、皇室が国民の支持を失い、天皇制度の廃止に繋がる、とあります。ただ、国民世論の内容は不明ですし、国民の気持ちが皇室から離れてしまう理由もよく判りません。

後者について
卵子の提供や人工懐胎をどうするのか等、問題は多い。また、そのような皇室に、皇后にふさわしい女性が嫁いでこられるか、疑問が呈される
首肯できる話ですが、更なる議論を封じるような、無思慮な否定には違和感を抱きます。

特に、強硬な万世一系論者というか信奉者はそこまで踏み込んで考慮しているのか、疑念を禁じえません。じゃ、どうするんでしょうか。

少子高齢化が進む今日、不妊治療は珍しくもなく、人工授精も稀有な話ではありません。ついでに言えば登校拒否、適応障害、校内でのいじめも。今、日本が直面しているそういった事象が、ある意味、日本(国家、社会)の投影である皇室で在ったとしても何ら驚くべきことではないと考えています。

そういった状況下、例えば、女性天皇、女系天皇といった時代を反映した折り合いを一顧だにせず、あくまで万世一系を貫く、その必要性を訴えるのであれば、科学的手段の検討は不可避です。

それほど遠くない将来、天皇が日本国の象徴であると憲法が定める限り、何らかの判断を迫られるのは必定です。その際、女性天皇女系天皇を認めるべきとか戦後皇籍を離脱した旧皇族を再び皇族に戻すといった提案は、皇位継承者がいなくなることを危惧して規則(皇室典範)を改変するといった話に他なりません。
”これまでの規定では後継者が途絶えてしまう。じゃ、規則を変えるか。”
と。継承を保つことを目的に規則を改変するというのも、何だか、これまでの規則が依拠してきたものの正当性に疑念を抱かせます。

なんらかの正当な理由、それが例え非合理的であったとしても、その下で皇位継承者は男系男子に限定され、又、戦後の皇籍離脱が行われたはずです。従って、いずれであっても上記提案を受け入れるには、この理由の正当性を否定し、それを覆す相応の正当性が必要と考えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿