2016年7月2日土曜日

桑原(2)

食品を購入するためにスーパーに赴くと、ちょくちょく面白いというか、唖然とする場面を目にします。これは前のエントリとは別の店の話です。

どこのスーパーでも夕刻になると鮮度落ちの早い商品には割引シールが貼られていきます。鮮魚、精肉、惣菜等々...段階的に-10%、-20%、半額といわゆる見切りのシールが貼り重ねられていく店に17:30頃訪た際のことです。

そういうタイミングだったのか、精肉コーナーには割引シールが貼付されたいくつものトレイが並んでいました。-10%、-20%、半額といった鶏、牛、豚といった精肉のトレイが混在している状態です。勿論、シールのない、正価販売のものもありました。

ふと見ると、そういった値引き品を大量にカゴに入れている年配の女性客がいたわけです。六十代あたりでしょうか。切り落とし、薄切り、焼き肉、ステーキ用といった様相で、特に〇〇用に絞ってということでもなく、あたり構わず割引品のトレイをカゴに入れていました。
”いろいろな肉を沢山カゴに入れているなぁ、上手く調理して保存食でも作るのだろうか。”
と思いながらも通りすぎて自分が目当てにした商品の棚へと向かいました。で、しばらくして乳製品のコーナーでチーズを見ていた時なんですが、気づくと先ほどの年配客が...

別に、注視していたわけではありませんが、先ほどの割引品の肉を両手に持って較べていました。なんだか自分のカゴの中で選別しているようです。実はこのあたりからちょっと気になってきました。

そこから件の客の行動を目で追うと...カゴの中の精肉のトレイの中、半分程度を商品棚に戻していました。戻す?なるほど、割引のシールが貼付された商品を、取り敢えず手当たりしだいにカゴに入れると。そうしてカゴに入れて確保しておいた商品を後で品定めし、不要なものは商品棚に戻す...

正価品ならともかく、消費期限の迫った見切り品は商品棚の前で手にとったとしても、購入する/しないを判断して購入を決めた商品だけをカゴに入れるのが真っ当なんじゃないのか、と思った次第です。他の客の購入機会を奪うべきではない、サルベージした商品を戻してどうする、という意味で。

軽く唖然とすると共に、”なんだかなぁ”、といった印象を禁じ得ませんでした。テレビで目にする衣料品のセールや福袋の争奪と同じ感覚なんでしょうか。

ふと目をやると、この客は今度は餃子や焼売などの惣菜のパックを何パックもカゴに入れていました。
”また、惣菜のパックを見比べていくつかを戻すのだろうか?”
そんな思いが過ぎりながら会計を済ませてさっさと店を後にしました。桑原、桑原...

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