2016年2月25日木曜日

僥倖

守山区四軒家辺りの寿司屋です。幹線道路沿いですが、目立つ看板もなく、店前に駐車スペースが取ってあるためか建物も通りから控えて建っています。

何度も行き来している通りですが全く気づきませんでした。信号待ちか何かで偶々寿司屋があることを知りました。気になって昼食に入店したわけです。実は街の、個人経営の寿司屋は結構好きです。少なくとも、大仰な看板を掲げ、だだっ広い駐車場を備えてこれみよがしに安さを押し出す回転寿しチェーンよりは...店によってハズレがあるのはともかくとしてです。

勿論、その時その時の飛び切りの寿司ダネを用意している高級店の話ではありません。昼にフラッと飛び込み、ちらし寿司を掻っ込んで
――ごちそうさま――
と。個人経営の寿司屋が大規模回転寿しチェーンに押される中、個人店の良心というか矜持を該店で感じた次第です。安けりゃいいということではなく、決められた価格の範囲内で良質のものを、そんな意気が伝わってきたような...

人気ラーメン店のラーメン、炒飯セットと同程度、或いはひょっとすればそれより安価な鮪丼、海鮮丼の用意がありました。 頼んだ海鮮丼は、光り物、烏賊、蛸、穴子はないものの、玉子焼きに帆立、茹で海老、サーモンと共に鮪、鯛に白身二、三片を戴く丼で、これがチラシとされていない所以かもしれません。

とてもこの価格で済む海鮮丼ではなく、特筆すべきは鮪で、上質で味わいの濃いものでした。キハダやメバチではなかったと思います。この鮪はサクから平作りで切り出された、整った一片ではなく、鮪ブツを切り開いた如く形状でした。

おそらく、より質の良い鮪を供するために、そういった部位を使う工夫じゃないかと。頭が下がります。

ただ、概してこういった店は店主が高齢です。ご多分に漏れずこの店も。この先、どれだけ暖簾を潜れるだろうかを案じてしまいます。

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