2016年2月28日日曜日

奇手

政権への打撃を希釈する目的もあったのでしょうか。勿論勘ぐりです。1月28日 夕刻、建設業者からの金銭授受を理由に甘利経済再生相が辞任しました。
甘利大臣辞任会見会見(全文5・質疑応答2)
で、その翌日(1/29)、日銀は新たな金融緩和の施策として、日銀当座預金へのマイナス金利の導入を決定したわけです。
現政権における重要閣僚の不祥事に対する追求の目を外らす、そういう見方も否めないなと。(2/27の時点ではマイナス金利による混乱、弊害は報道されています。市中への資金の流入は活性化されたのでしょうか。
――このタイミングで日銀が何もしないことはありえない―― 
2/1付日経朝刊の記事にあった、黒田日銀総裁がマイナス金利導入を提案する直前の政権幹部の言葉です。真偽は存じません。当然の如く日銀が対策を打ち出すと...講談社からの小保方氏の手記発売も、批判の矛先を逸らせるいいタイミングだったかもしれません。
手記発売はさておき、このマイナス金利導入で中央銀行の独立性に疑義が生じ、通貨の番人としての信頼に傷がついたとみています。物価と雇用の安定に対する責任といえばモノは言いようですが、政権の尖兵として政権維持の片棒を担いでいるんじゃないかと。

で、この金融政策によって何が起こるのでしょうか。

これまで市中銀行は日銀に国債を売っていました。売却代金は日銀の当座預金口座にブタ積みされてきたわけです。従来、このブタ積み部分に付利がついていましたが、マイナス金利の導入により残高が目減りしていくことになります。

ではそのブタ積みされた残高は引き出されてどこに向かうのか?日本国債の買い戻しと外国債券の購入に充てられるのが妥当なところじゃないかと。その結果、国債価格の上昇と円安が進むのでしょうか。少なくとも、素直に民間への貸付増大に向かうようには見えません。

”実体経済は金融政策のみでコントロールできる”、いつまでも幻想を抱き続けるのも如何なものだろうか、そう思った次第です。

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