2015年11月16日月曜日

障壁(3)

先のエントリに続けます。

さて、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、自由貿易協定であり、以下がその目的と理解しています。
関税、非関税障壁をなくすことで締結国・地域の間で自由な貿易を実現し、貿易・投資の拡大を目指す
そういった観点から、不透明な非関税障壁が取り除かれることを希望します。上述の農業に対する国からの補助金もある意味非関税障壁です。農業国の補助金による価格ダンピングは、価格競争力で優位となり他国への輸出圧力になります。これは言い換えれば他国から流入に対する非関税障壁にほかなりません。

対抗措置としての農業への補助金拠出がやむを得ないことは先述しましたが、非関税障壁の事例はこれに留まりません。

この不透明な非関税障壁の撤廃に向けて動きなんを進めずして、声高に”貿易・投資の拡大を目的として自由な貿易の実現”と叫ばれても、なんだかなぁといった感があります。非関税障壁は自国の事情によって、”保護と自由”を裁量で按配できますから。

極端な一例を挙げれば、
――米アマゾンやe-bayからのガソリン購入は可能になるか?自動車をワンクリックで個人輸入できるか?――
ということです。

現在、1Lのガソリンには53.8円の「揮発油税及び地方揮発油税」が課されています(内25.1円は暫定税率分。ガソリンの精製元となる原油ほぼ全量を輸入に頼っているのは言うまでもなく、いわゆるガソリン税は見方によっては関税ともみなせます。更に、消費税との二重課税になっている部分に目を向ければ質が悪いなぁと。二重課税の合理的理由も存じません。

物流に関わる情報技術は、自由な貿易の実現による恩恵を消費者が直接に享受できるまでに進歩しています。米アマゾンからガソリンが販売されることを強く希望します。

ちなみに、ガソリンを米アマゾンから購入するということは、個人レベルの消費量を輸送するという意味ではありません。ガソリンを入手できる商品券のような権利を米アマゾンから購入するということです。図書カードやデパートの商品券、ビール券と同様な証券がガソリンにあってもいいんじゃないでしょうか。それを購入して国内のスタンドから給油するといった枠組みの話です。

元々手掛ける気は毛頭ありませんが...――自動車の個人輸入――少し調べてみましたが、代行業者が存在する程度の、かなり手間と費用が必要のようです。

運送費、右側通行仕様から左側通行仕様への変更費用はともかく、ローカライズやその検査費用...非関税障壁と受け止められなくもありません。自由な貿易の実現には未だ遠い道ではないでしょうか。

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