――泣き止ませる術なく乳児はむずがることがある――
と記しました。
既に鎮静化したようですが、
といった意見もネットワーク上にあり、一騒動あったようです。では、泣き続ける乳児を宥めて静かにさせたい時、いかなる場合にも常に解決策はあるものでしょうか?
旅客機内という閉じた空間で乳児が泣く、幼児が騒ぐといった問題は、かなり以前から全ての航空会社で生じてきたはずです。この問題の解決、緩和に向けて乗務員側がこれまで何ら対応してきていない、或は、知見を蓄積してこなかったとは思えません。
もし、泣き続ける乳児を宥める、何らかの効果的な方策、ノウハウが乗務員側にあるならば、円滑な運航の遂行という職務の点からも乗務員は率先して対処するでしょう。裏返せば未だ有効な手立ては持ち合わせていない、といったところが現状ではないでしょうか。
取り得る手段があるにも拘らず、それを保護者に提案したり、或は、保護者のサポートをしなかったならば、乗務員側の怠慢であり職責が問われるべきですが、それは別の問題です。
この運行の円滑性、快適性を確保するといった視点から、乗務員の役割について考えてみます。泣き続ける乳児を宥める確実な手法がない以上、周囲の乗客が乳児の泣き声を我慢することになるのは明白です。その際、我慢を強いるのではなく、如何に周囲の理解を得て協力を要請するかが重要であり運行管理の一端を担う乗務員の能力が問われる部分ではないでしょうか。
取り得る手段は多くありません。保護者と周囲の乗客の間に立ち、協力を求め、容赦をお願いする程度でしょうか。機内アナウンスで周知するとしても、いずれにせよ言葉の力のみを頼りに心情に訴えざるを得ません。
ただ、たとえ用いる手立てが言葉のみであっても、保護者の乳児に対する真摯な姿勢、心苦しい心情を巧に伝えることで十分協力が得られるものと考えます。
更に、問題が発生する前に事前に乳児の泣声に対し容赦を願う旨、アナウンスしておけば騒動を未然に防げたかもしれません。突然の不快なハプニングは容易に受け入れ難いでしょうが、周囲の乗客に予め事態を想定させることで意識の中に許容する準備が形成されるのではないでしょうか。
周知のタイミングを選び、表現方法、口調を適切に駆使すれば、乳児が泣き止まずとも、乗客の協力を得ることは不可能ではないと思います。
(さかもと氏に対しどこまで効果的だったか、件の騒動を未然に防ぎ得たかについては疑問ですが...)
勿論、協力を請うに際し、たとえ周囲に伝わらずとも、保護者が懸命に対処しようとする姿勢が必須であることは言うまでもありません。
(続)
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